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三、草・木などの名前にみられる方言

(13) みず(うわばみそう)

ミズのミズタタキのなんともいえないうまさ。山菜の王者格といえます。

『秋田方言』では一例のみ。

(平・雄)うはばみさう。

まず、「うはばみさう」(「うわばみそう」)の「うわばみ」からみていきましょう。

[蟒蛇](うわばみ) (ハミはへミ・ヘビと同源)。
大蛇(だいじゃ)特に熱帯の産の二シキヘビ、王蛇などを指す。
大酒飲みの喩え。うわばみ草(蟒草) ミズナの別称。
(『広辞苑』)

「ミズナ」のことを、別に「うわばみそう」ともいうとあります。その「ミズナ」の「ナ」の脱け落ちが「ミズ」ということになるわけです。

ふつう、「蛇草」(じゃくさ)ともいってるし、ミズの群生する急峻な沢の崖にはマムシもいるから、そこからの「蛇草」でもあったのかも知れません。『広辞苑』の②でいう、「大酒飲みの喩え」はなる程どとうなづ けます。ミズのミズミタタキによく合うのは、茎の真っ赤なのがうまいからなのです。そこからの「大酒飲み」の喩えは擬人的ともいえましょう。 山で暮らした人たちの名付けには感心します。

ミズには二種類あって、茎の青いのもありますが、これは食用にはなりません。


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