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一、くらしの中の方言



ぶらりと、「方言散歩」です。

歴史の古い杉沢あたりを散策。途中、地元の少し年輩の女の方にお聞きしたら、「この堰ぁ、ふたつにわかれて、ひとつは三貫堰さ、ひとつは“びるも沼(蛭藻沼)”さ行くの…」と教えられた、その「びるも沼」のビの発音にハッとおどろいたものです。

両くちびるの破裂音 b は古い時代の発音とふかくかかわっていると聞いたことがあったからです。その昔、東治元年(1087)、金沢ノ柵落城と”びるも沼”とが一瞬、脳裏をかすめます。

かく言うわたしも、くちびるの古い発音のしかたをもっていて、「フェビ」(蛇)とやらかします。「重要無形文化財保持者」? などと那揄されることもあったり(祖母が山内生まれだったからでしょうか)。

わたしらは、方言に育てられ、地域の生きたくらしの考えや思いをそこに重ねてきたわけです。方言のそのうえに新しいことばの獲得もしてきたわけですが。

でも、時代の進展・変化とともに、方言のなかには役目を終えて消えていくものもあります。しかし、方言が地域に生きてきた正当な姿、その歩みを≪道しるべ≫のひとつにでもと思ったりもします。

くらしのなかの方言は、一歩踏み込むと、たくさんのことを教えてくれるようです。

ぶらりと、出掛けましょうか。


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