二、身体部位にみられる方言
テレビの漫画で、画面いっぱいに口を大きく開けて叫ぶときなど、開けた口のその奥にプランと下がってみえるのが描かれます。そのプランと下がってみえるのが「のどしんちこ」「のどちンこ」などともいわれるようです。これは方言でしょうか。ものの本には、「口蓋垂(こうがいすい) 」といかにもむずかしくいうのですが、字の通りに訳せば、「のど口に蓋(ふた)のように垂れさがっている」と解されます。発音器官のひとつというたいせつな部位です。
このように、身体部位にみられる語について、それが方言なのかどうか、すこし歩いてみることにします。身体部位を表す語は、たくさんあるのですが、ここでは外からみられる、ごくふつうのものということにします。まず、身体のてっぺんの「あたま」から並べてみると次のようです。
(1) | | おつむ (頭) |
(2) | | なづぎ (額 ひたい) |
(3) | | このげ (眉毛) |
(4) | | まなぐ (眼・まなこ) |
(5) | | おどげぁ (あご) |
(6) | | ほたぼ (頬) |
(7) | | のどすんつこ (口蓋垂) |
(8) | | くろごぼし (くるぶし) |
(9) | | こぶら (こむら・ふくらはぎ) |
(10) | | けつたぶ (尻たぶ・臀部) |
(11) | | ももた (股) |
(12) | | くびた (首) |
いくつかあげてみましたが、さて、どれも方言でしょうか。
いつものとおり、寄り道したり、また、迷い道にはまったりしながら、散歩にでかけましょうか。
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