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三、草・木などの名前にみられる方言

(7) あじゅうり (まくわうり)

『秋田方言』では、二例です。

じうり(雄)まくはうり(真桑瓜)
じゅーり(平)真桑瓜

どちらも <真桑瓜> を指すとしています。瓜はいいとしても、<真桑> は何をいうのでしょう。

『広辞苑』では次のようです。

「[真桑瓜]  (美濃国本巣郡真桑村 <今、岐阜県真正町> に産したのが有名であったことから)メロンの一変種。日本には古く渡来したとされる。果実は果皮が緑・黄(キンマクワ)または白色(ギンマクワ)で、食用。 (略) 味瓜、都瓜、甘瓜、梵天瓜。漢名、甜瓜(てんか)」

なんと地名だったのです。

冷蔵庫などのなかった戦時中、夏の代表的な果物。お盆には仏壇に、まずお供えしたものでした。マクワウリとはいわずに、「甘い味のする瓜」の意からの、「味瓜」(あじうり)が次第に転訛して、「アンジュ瓜」「アジューリ」となったものでしょう。

西瓜はそう簡単には手に入らなかった時代、「あじゅーり」は小型で手頃な季節の果物として、また、食べるときなどは、なんか金持ちになった気分もしたものでした。井戸水に冷やしておくと、今の冷蔵庫よりもよく冷えた感じがしたものです。膝をそろえて食べたのだったかも。

夏の風物詩のひとつとして、「あじゅーり」は、記憶に鮮烈。「あじゅーり」の夏がなつかしい。


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