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三、草・木などの名前にみられる方言

(12) ひでこ(しおで/牛尾菜)

山菜通の人なら、すぐわかる「ひでこ」。

横手や山内では「シュデコ」ともいうようです。この「シュデコ」は、もともとのかたち、「しおで」の「シォ」の音がちゃんと残っているものと思われます。そこから「ヒデコ」への転があったものでしょう。音変化のあとをちゃんと後付けている方言「シュデコ」であり、また、「ヒデコ」だといえましょう。ユリ科の蔓生多年草。

十七、八ナー
今朝の若草 どこで刈ったナー
このひでこナー

仙北地方民謡「ひでこ節」の一節です。若々しさがことばのはしはしにあふれんばかりです。

もともとのかたち、「しおで」から、「シォデ⇒シュデコ⇒ヒデコ」と転訛がかさねられたと考えられますが、「しおで」は漢字で書かれた <牛尾菜> の、牛のしっぽに似た春先の若い茎からの名付け。

『秋田方言辞典』は、

「…デは出で、 <牛尾出> の語頭のウの脱落によるもので、牛の尾のように出た状態をとらえた語であろう」

と明解です(コは方言独特の指小辞)。

春先、ちょうどゼンマイ採りのころ、よく見かけます。ゆがいてのおひたしがおいしい。「山のアスパラガス」、また、「和製アスパラガス」などの異名をももつ山菜です。


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