四、古語をもとにした方言(8) のごう『秋田方言』では、
の二例が示されているだけ。横手地方では(雄勝)の「のごう」のかたちで使われます。それに、「のごえ」のかたちもよく使われるようです。 これは「…しなさい」のかたちで「ぬぐいなさい」の意になります。 『秋田方言』での(平鹿)の用例「のごる」「のごれ」のかたちは今ではみられなくなったと思われますがどうでしょうか。 古語辞典(旺文社版)ではどうでしょう。
次は『広辞苑』。
「のごふ(う)」のかたちは古語。遠く万葉の時代からの語そのもの。『秋田方言辞典』では次のようです(くわしい解説なので、ここでは要点のみにします)。
明解です。≪「のごう」は「ぬぐふ」の古形≫だとし、なお、≪「のごう」は上古語の残存か≫としています。古語も古語、万葉からの語であるとしています。 そうすると横手地方での「のごう」のかたちは、「ぬぐう」のそれよりも、ずっと古いかたちを今に残して使われていることになります。 遠く遠く、万葉の人たちが使っていた「のごう」「のごえ」を、現在、横手万葉人も使っているのですから、万葉生き残りの語のひとつといえましょう。 |
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