四、古語をもとにした方言(5) あぐでぁ・あぐで『秋田方言』では、
三用例が示され、ふたつめの「あぐでぁ」が平鹿・横手となっています。 もちろん、語のおわりの「ぁ」の脱け落ちた、「あぐで」のかたちもその場に応じて使われるようです。「あぐでぁ」のもともとのかたちは、古語辞典では次のようです。
古語辞典では、「あくたい」そのものを <近世語> としていますから、古語ということになります。『広辞苑』では次のようです。
『広辞苑』も古語としてとりあげています。 「あくたい」は文章語的なニュアンスをもち、「あぐでぁ」の方は、俗語的であり、また、口語的なニュアンスを感じられなくもないといえます。横手でも、「あくたい」と使うときもあり、「あぐでぁ」となるときの両方があるようです。 「あくたい」の語中の「く・た」は、方言では法則的に濁音化をとって「あぐだい」になり、さらに語の終わりの「…アイ」が、「…æ ェァ」になつて「あぐでぁ」となります。 これは、たとえば「あんばい(塩梅)」の語の場合でも、語の終わりに「…アイ」をもつので、方言では法則的な音変化をとって、「あんべぁ」となるのと同じです。
語の終わりの「デァ」が、「ア」の脱け落ち、また、短めの音変化をとって、「アグデ」になるなど、方言のその使われ方は、場に応じて表現的です。 |
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