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二、身体部位にみられる方言

(12) くびた

『秋田方言』では次のようです。

くびた(仙)首。
くんびた(鹿・山・南・雄) 首。
びと (市・河・雄・由)首。

(横手・平鹿)での用例は示されていませんが、「くびた、よっく洗え」などといわれたものです。

『岩手西和賀地方の方言』では、

くびた・くびた    首のこと。

横手でいうのと、まったくおなじです。

「くびた」は方言でしょうか。まず、古語辞典でみると次のとおりです。

くび・たま[首玉・頸玉]
①上代、首のまわりに飾った玉。
②首筋。くびったま。
③首輪。

「くびた」は、②の例で示されている「くびったま」がもともとのかたちとみられます。語のおわりの「ま」の脱け落ちによる、音変化(転訛)といえましょう。「ももた」の「た」とは、まったくちがいますが、「くびた」も出身を古語とする方言のひとつといえます。

ここでも『秋田方言辞典』でしめくくります。

くびた・くびと・くびたま・くたま・くんた・くび(首・頸)
  [クビタ](北・山・仙・平・河)
  [クビダ] (平)
  [クビト] (市・河・仙・平・雄・由)
  [クビタ] (南・河)
  [クビッタ] (仙)
  [クタマ] (山)
  [クンタ] (山)

…(考) くびたま[首玉](「くびったま」とも。くびあたま(首天窓)の転 <『大言海』> くびすじ。くび。

…a クビタ・クビト・クタマ・クンタは、このクビタの転訛であろう。(『仙台方言辞典』も同説。また『日本国語大辞典』も「くびたま」の <なまり> としてクタマ・クビタを挙げている)   <…以下略…>

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