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二、身体部位にみられる方言

(8) くろこぼし

『広辞苑』では次のようです。

くる・ぶし [踝]
足首の、脛(すね)とつながる部分にある内外両側の突起。内側のは脛骨の末端の内果で、外側のは排骨の外果である。くろぶし。つぶぶし。つぶなぎ。

『秋国方言』では、

くろこぼし[山・南・市・仙・平・由]踝。

昭和四年刊の『同書』には、ほぼ全県的な「くろこぼし」の分布をあげていますが、現在つかわれているかたちは「くろごぼし」がふつうのようです。

「くるぶし」は古語なのかと、古語辞典をみてもありません。「くるぶし」をもとのかたちにもつ方言といえましょう。

『秋田方言辞典』では次のようです。

くろこぼし・くろこぶし
…(考) くるぶし [踝] 足首の両側にある骨の突起。 くろぶし。
−「くるぶし」の語源は、クルルブシ(枢節)の約(『大言海』)といわれる。足の「くるる(とぼそ)」のような役目をしている関節の意。…(略)…コブの意識が加わってクロコブシ・クロコボシの語が発生したものであろう。

なお、『同書』の「くろこぼし」の全国分布をみと、

くろこぼし青森南部 静岡
くろこぶし岩手 宮城 山形 福島
くろっこぶし静岡
くりこぼし愛知

など、東北と関東の一部にみられます。

「くろごぼし」と語中の「こ」を濁音化して(これは東北方言の法則的なもの)、この横手におちついた方言なのでしょう。


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