五、平鹿方言考(細谷則理著)を歩く
(3) 『平鹿方言考』を読む
『平鹿方言考』は、方言の深い森にたとえられるように思います。方言のかたちについての、まず、≪音韻≫つづいて≪語法≫。これがまたなんと二章から十二章までもの考察。おわりの十三章≪文章≫まで、考察のつづく深い森。「道先案内入」自身が道に迷いこんでしまいかねません。考察のつづく深い森ならぬ章を概括してみると次のようになります。
(1) | 第一章 | 音韻 (注①〜④)
| (2) | 第二章 | 名詞 (注⑤〜⑧)
| | 第三章 | 動詞 (略)
| | 第四章 | 形容詞 (略)
| (3) | 第五章 | 助動詞 (注⑨)
| (4) | 第六章 | 助詞 (注⑩)
| | 第七章 | 感嘆詞 (略)
| | 第八章 | 副詞 (略)
| (5) | 第九章 | 接続詞 (注⑪)
| | 第十章 | 接頭語・接尾語 (略)
| | 第十一章 | 待遇法 (略)
| | 第十二章 | 強勢法 (略)
| | 第十三章 | 文章 (略)
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明治末年代の論稿ですから、とうぜん文語体で書かれ、現代表記とは、まず違うし、さながら昔日の感がしないでもありません。その舌をかみそうな文語の世界へいま入り込むということは、さまようににた冒険のようでもあります。
太字で示した章だけは、なんとかさまよい歩いたところで、ほかの章は省略。原文は『横手町郷土誌』にありますから、ぜひご参照ください。太字で示した(1)〜(5)の章には、(*注)がいくつかあります。これは解説風なメモ書きといったもので、ご参考までに。
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